マンションの掲示板に「外階段の入り口ドアーに破損があります。」といったお知らせが貼ってあった。
あー、長音表記問題ね。そうそう。一時期、「コンピューター」とか「プリンター」とかやたら末尾に「ー」が入ってきて、読みづらいなあ、とは思っていた。
かつては 「2音の用語は長音符号を付け、3音以上は省く」(JIS Z 8301)が原則で、computer は「コンピュータ」表記だったのだが、平成3年の内閣告示第二号によって、“-er”、“-or”、“-ar”で終わる英単語は、原則長音符号「ー」を付ける方針に変わった。
コンピューター業界では、MicrosoftがWindows7でそっちに寄せたあたりでガラッと変わった記憶。どちらが先か良く分からないが、気づいたら JIS規格(JIS Z 8301:2008(※1))も「外来語の表記は,主として 外来語の表記(平成 3.6.28 内閣告示第二号) による。」となっていた。
なるべく、外来語のもともとの発音に近づけようという主旨は賛成なのだが、コンピューター用語には「プリンター」「ドライバー」「アドミニストレーター」などのように末尾”-er”とかが多く、長音表記が大量に出てくるのでマニュアルの可読性が下がるんだよねー、慣れの問題かもしれないが。
さて、掲示板の表記に戻り、「door」は「ドアー」と書くのだなあ、などと感心したのですが、調べてみる(※2)と「door」は「ドア」で良い様子。微妙にがっかり。
(※1) kikakurui.com様で JIS規格票を公開されていましたので、そこをリンクしています。
(※2) 「外来語(カタカナ)表記ガイドライン第3版(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会)」当時、「この協会って誰?」と思っていたが、ガイドラインが分かりやすくて好き。