[夏の焦燥]
小4春、入塾時のアタックテストは偏差値33⇒小4夏のアタックテストも偏差値33。
それまで、休日にずっと付き合って授業や宿題などで分からないことを解説したり、私がスケジュールしたり、自分で予定線を引かせてみたり、親として結構努力したつもりだったが、まったくと言っていいほど手応えがない。
学校から帰ってきたらずっとマインクラフトを一人プレイで遊んでいる様子。子供用コミュニケーションツールとしてSwitchを買い与えたので、せめて友達とやって欲しいのだけど、一人プレイ。
勉強せいと言うと、「なんで勉強なんてしなければならないの?(ゲームしたいのに)」と問うてくる(詳細は『なぜ勉強をしなければならないのか?(勉強したくない息子を説き伏せる話)』)
一旦は説き伏せてはみたものの、はっきり言えば「勉強に興味が無い」のだろう。このまま中学受験って無理ゲーでは?
[感動から始まること]
日本コンピュータの父、富士通の故・池田敏雄さんの名言に「すべての開発は感動から始まる」というものがある。ソフト技術者の端くれの私としても共感できる言葉だ。
開発だけではない、勉強も同じだろう。興味があったり、感動したり、心動かされて、いっそう深く学んでいくものだ。
本来、そういった感覚の種はもっと幼少期に養うべきな気もする。色々と習い事をやらせたり、いろんなところに出かけたりしたが、足りなかったか…ここ数年はコロナで色々制限があったし…あと、成長タイミングもあるし、難しい…
[もう一つの事情]
軽くカミングアウトすると、私は高校時代に不登校児だった。超勉強して高校偏差値70強の進学校に入学したのだが、すべてが馬鹿らしくなってしまったからだ。
そもそも勉強など好きでも嫌いでもなく、受験に向けて塾仲間で成績競争するのがゲーム感覚で楽しかっただけ。
だが、第一志望に受かったことで勉強へのモチベーションを失い、街をブラついたり、引きこもったりしていた。今思えば、燃え尽き症候群であったかも。
高校入学祝のPCでゲームしたりプログラム作ったりして部屋に閉じこもる息子を見て、当時の親の絶望といったらなかっただろう。ゴメンなさい。
でも、人間万事塞翁が馬で、あの頃のPCの知識やプログラミングの経験のお陰もあり、今もエンジニアとして働いている。そして「実は一生勉強が必要だったんだなー…」とつくづく思う。
[“エモ勉”への転換]
さて、ホゲ夫君の話。
ホゲ夫君には中学受験で難関校に受かり、ブイブイいわせるような積極的で自律的な人生を送ってもらいたいと思う。が、無理。ホゲ夫君、いつも一人でホゲーッとしているし、そういうレベルにまったく達していない。
また、現状、
- ウチは共働きで「母親の狂気」的な中学受験への全振りは難しい。
- ホゲ夫君はいつもホゲーッとしており、自律的に勉強する気持ちも習慣もない。
- 塾の授業についていけてないし、おそらくついていく気もない様子。
という問題があり、今の延長では良い方向に転がるとはまったく思えない。無理。
ならば、まずは偏差値に左右されず、物事への感動や勉強の楽しさを感じ取らせることを目指す。
勉強はエモい。“エモーショナル勉強”、略して“エモ勉”。
これが出来れば、それ以降はおそらく自分で進んでいくはず。中学受験には間に合わないかもしれない点は不安だが、どうせ一生勉強が必要だし、いつかは気づかされることなので。
こうして、管理型の中学受験から、物事への感動を伝えて自律的勉強を促す“エモ勉中学受験”に舵を切ったのだった。
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