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[知人の相談事]
数年前の話。知人が小学生の息子にスマホを持たせるかを悩んでいました。さっそく私は「持たせるべき。スマホネイティブ世代の強みを最大限に活かすべき」と持論を展開したのです。
が、居合わせた私以外全員は「危険、危ない、まだ早い持たせるべきではない」大合唱。それに乗った知人は「そうだよね、普通に持たせないよね」と。
あれ? ああ、この場は問題を解決したり、議論する場ではなかったのか。また空気が読めなかった…という事件。悲しかった思い出。
あれから何年が経ち、ウチの息子がスマホを使える年頃となりました。
スマホ利用への意見は変わらずでしたが、当時の反対派の根拠を知りたくなって本を漁ってみました。結果、『スマホ依存症』や『SNSの危険性』を訴える本が多かった気がします。依存症はスマホに始まった話ではないし(昔はテレビ・ゲーム依存症とか?)、SNSは使い方の教育でおおよそ対応可能かな。
が、ちょっと斬新だったのは、スマホを使うと成績が悪くなるという統計を元とした『スマホが学力を破壊する』(川島隆太著)です。川島教授と言えば、ゲーム『脳トレ』の監修で有名な方ですね。
[スマホが学力を破壊する]
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仙台市の中学生2万2千人強を対象に、子どものやる気を研究してたら、スマホ利用時間の多い方が学力低下する事実を発見し、いろいろと仮説が書かれています。
まだ仮説の段階でメカニズム解析まで至っていないようですが、「子供の危険を回避しよう」親心や「CO2による地球温暖化が嘘か本当かを論じるのではなく、本当であった場合に破滅しないように予防対策しよう」精神で言えば、子供のスマホ利用を制限せざるを得ないわけで…
ということで、子供のスマホ利用に関して私の負けです、ぐはっ。さしあたり、子供たちの(スマホ+ゲーム)利用時間は1日1時間までにします。
とりあえず悔しいので、「先生!学校の授業で使っているiPadは スマホに入りますか?」と八つ当たり。この仮説が正しいならば、学校教育でiPad等使ってはいけないのでは?
まあ、今後追試され、順次結果が出てくることでしょうから、それを見て再判断したいと思います。
[追記(2022/11/13)]
うーむ、ちょっと知らなかったのですが、すでに2017年頃に話題になっていたのですね…。この論争は全く記憶にありません…
日本医師会「スマホ使用で学力低下」が波紋…ドコモが反論「逆に向上もあり得る」(Business Journal 2017.06.19)
まだ研究中なのか、川島先生の続編を見かけません。が、「スマホが学力を破壊する」あたりのメカニズムは、これなのかもしれませんね。まだ買って読んでませんが、ネットの書評を読む限り。
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[追記(2022/12/10)]
本屋さんに行ったら、科学雑誌 Newton 2023年1号で「スマホと脳の最新科学」を特集していて、つい買っちゃいました。やっぱりNewtonは綺麗で面白いですよね! 息子も欲しがるので定期購読しようかどうかをいつも悩むのですが、結局、今回もしない方向で。定期購読されたい方はこちらからどうぞ。
さて、特集を読み、川島先生によって継続調査されているということが分かりました。ネットを調べると、川島先生の記事『「スマホをさわるとバカになる」は本当だった…』、『スマホ中毒になると「小6の脳」で成長が止まってしまう』(PRESIDENT Online)という記事がありました。継続して実施された調査のことが書かれています。
読んでみると、タイトルが誤誘導しているというか…実態は「ネットを頻繁に使う子供では、そうでない子供にくらべて脳の発達が遅い」ということのようです。それに、記事は読み物だからか、データがちゃんと書いてないので、説得性に薄いというか…
しかし、ある意味、衝撃的な内容だと思うのですが、(調べ方が甘いのか)他者の追試や反論も見当たらないのですが、どう評価すべきなのか困りますね…
差し当たり、『オンライン脳』という本も出版されているようなので、今度読んでみようと思います。
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